コバルトフリー
高温高圧の条件下で使用される弁は、弁座等シール部にコバルトを主成分としたステライトが盛金されています。
ステライトは耐摩耗性、耐腐食性等の優れた特性を有し、弁座盛金材として一般的ですが、原子力用弁においてある問題点がクローズアップされています。
それは長年の使用による摩耗や腐食等により発生したステライトの微粉が原子力内に流入した場合、コバルトが放射化することにより、メンテナンス時における被ばくの大きな要因となっていることです。
このことからステライトに代わるコバルトを廃した盛金材料(コバルトフリー材)が注目されています。
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度重なる弁作動による
摩耗や腐食でステライトの
微粉発生
摩耗や腐食でステライトの
微粉発生
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ステライト内の
コバルトが
中性子と結合する
コバルトが
中性子と結合する
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シール部盛金材のコバルトフリー化は、被ばく線量の低減に繋がり、メンテナンス期間短縮・作業工数の低減等、プラント運営のコストダウンに直結することから、近年益々導入を求める声が大きくなっています。